2009年5月30日土曜日

小児の切断 電動義手と能動義手の比較

今年、6月に行われる全国OT学会で、上記テーマでポスター発表するが、備忘録的に以下に、抄録を掲載します。



【はじめに】
小児切断者の能動義手と電動義手との操作能力について述べたものは少なく,Edelstein(1993)らが6才から17才までの76名を対象とした比較を行い,能動と電動前腕義手を3ヶ月装着訓練後,上肢機能評価を実施した報告を見出すことができたのみであった.
今回、能動と電動義手を連続して作成した症例を担当し,能動義手と電動義手の装着訓練前後の上肢機能を比較すること,困難動作を明らかにすること,OT訓練上のポイントについて考察する機会を得たので報告する.
発表に関しては,本人保護者より説明後署名による同意を得た.

【症例】
11歳男児.診断は先天性右前腕切断(短断端).義手着用歴は1才6ヶ月に装飾義手作成し,就学後は,ほとんど装着しないで状態であったが,本人の希望により10才で能動義手作成,装着訓練実施し,11才で電動義手作成,装着訓練を実施した.
電動義手はオットボック社製で筋電スイッチを前腕の残存筋を使用し,屈伸筋を用いて手先部の手指開閉を操作する.能動義手は通常の構成からなる前腕義手であり,両者ともソケットの適合,操作効率については最適化を図った.

【初回評価,能動/電動】
STEF 21/1点.行えなかった課題0/7,制限時間外課題3/2,時間内課題7/1と能動儀義手の操作性の高さ,習得の容易さが示された.
STEFで明確になった電動義手の困難課題の共通点は対象物が大き過ぎても,小さ過ぎても不可であり,マニュプレーション動作も不可であるなど,許容範囲が狭かった.
また,訓練をしていて明らかになった困難課題としては,早い開閉の動き,つかみながら上げる動作は困難であった.

【最終評価】
STEF 34点(3ヶ月後)/ 13点(7ヶ月後)と両者とも向上が認められた.電動では行えなかった課題7から3,制限時間外課題2から3,時間内課題1から4と上肢操作性が向上した.患児の感想では,絵を絵開いているときなど,電動の方が自分で描いている感じがするとの発言も見られた.
【考察】
電動では困難と思われた動作も,操作可能となることがあり,OT訓練では,困難動作を明確にし,訓練を行うことが必要と考えられた.
片手の上肢操作能力では能動義手が勝ることが示された。道具使用や両手協調動作などについては,今後評価していく必要がある.

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